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排出装置とは?種類・仕組み・選び方を解説

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排出装置とは?種類・仕組み・選び方を解説

生産ラインの効率化と品質維持に欠かせない「排出装置」。不良品や異物を正確に検出し、自動でラインから取り除くこの装置は、製品の信頼性を高め、生産コストの削減にも貢献します。

しかし、エアブロー式、プッシャー式、吸着式、ゲート式など、その種類は多岐にわたり、自社の生産工程に最適な一台を選ぶのは容易ではありません。この記事では、排出装置の基本的な定義から、それぞれの種類ごとの特徴と仕組み、そして製品特性や生産ラインの条件に応じた最適な選び方まで解説します。

 

排出装置とは

排出装置とは、製造工程において、不良品、異物、または特定の基準を満たさない製品などを生産ラインから自動的に識別し、取り除く装置の総称です。主に、製品の品質管理や生産効率の向上、省力化を目的として導入されます。

これらの装置は、コンベアなどの搬送ライン上で、センサーや検査装置と連携して対象物を検知し、指定された場所へ正確に排出します。食品、医薬品、電子部品、自動車部品など、多岐にわたる産業分野の製造現場で不可欠な存在となっています。

排出装置の導入により、人手による選別作業の負担軽減、ヒューマンエラーの削減、不良品の市場流出防止、そして安定した製品品質の維持に貢献します。排出対象物の種類や生産ラインの特性に応じて、様々な方式の排出装置が開発・利用されています。

排出装置の主な種類

排出装置は、その動作原理や対象物の特性に応じて多種多様な方式が存在します。ここでは、代表的な排出方式とその特徴について解説します。

エアブロー式排出装置

エアブロー式排出装置は、圧縮空気をノズルから噴射し、その勢いで対象物を吹き飛ばして排出する方式です。製品に直接触れることなく排出できるため、傷つきやすい製品やデリケートな製品の選別・排出に適しています。非接触であるため装置の摩耗が少なく、比較的メンテナンスが容易ですが、排出時の騒音やエア消費量が課題となることもあります。

プッシャー式排出装置

プッシャー式排出装置は、シリンダーやモーターによって駆動されるアームやプレートを用いて、物理的に対象物を押し出して排出する方式です。重量のある製品や形状が不揃いな製品、安定した位置決めが必要な製品の排出に多く用いられます。確実な排出が可能ですが、製品に接触するため、製品の材質や形状によっては傷のリスクがあり、動作速度はエアブロー式に比べて遅くなる傾向があります。

吸着式排出装置

吸着式排出装置は、真空吸着パッドや電磁吸着を利用して対象物を吸着し、持ち上げて移動・排出する方式です。表面が平滑な製品や、変形しやすい柔らかい製品、精密部品など、高いハンドリング精度が求められる場合に有効です。吸着パッドの種類を選べば製品を傷つけずに搬送できますが、吸着面に凹凸がある製品には不向きです。

ゲート式排出装置

ゲート式排出装置は、コンベアラインやホッパーの途中に設置されたゲート(扉やシャッター)を開閉することで、対象物の流れを制御し、特定のタイミングで排出する方式です。構造が比較的シンプルで耐久性が高く、バルク品の排出に適しています。個々の製品を精密に選別する用途には不向きですが、生産ラインにおける製品の流れを効率的に管理する上で重要な役割を担います。

その他の排出方式

上記以外にも、排出装置には様々な方式が存在します。例えば、重力を利用して傾斜面を滑らせて排出する「傾斜式」、振動を与えることで製品を移動・排出する「振動式」、特定の形状の製品をフックで引っ掛けて排出する「フック式」などがあります。

排出装置の仕組み

排出装置の基本的な仕組みは、「対象物の検出」「不良品の判別」「物理的な排出動作」の3つのステップで構成されます。センサーが製品を検出し、制御システムが良品か不良品かを判別し、不良品と判別された場合に排出装置が製品をラインから除去します。

エアブロー式排出装置の仕組み

エアブロー式排出装置は、圧縮空気を噴射することで対象物を排出する方式です。製品が排出位置に到達すると、制御システムからの信号に基づき、ノズルから高圧の圧縮空気が瞬時に噴射されます。この空気の力によって、不良品はメインラインから別の排出シュートやコンテナへと吹き飛ばされます。高速で移動する軽量な製品の排出に適しており、非接触であるため製品へのダメージが少ないという特長があります。

プッシャー式排出装置の仕組み

プッシャー式排出装置は、物理的なアームやシリンダーを用いて対象物を押し出す方式です。製品が排出位置に来ると、エアシリンダーや電動シリンダーによって駆動されるプッシャーアームが前方に伸長し、対象物をライン外へと押し出します。アームのストローク(押し出す距離)や速度は、対象物の大きさや重さ、ライン速度に合わせて調整されます。比較的重い製品や、安定した排出動作が求められる場合に多く採用されます。

吸着式排出装置の仕組み

吸着式排出装置は、真空を利用して対象物を吸い上げて排出する方式です。排出対象の製品が吸着位置に来ると、吸着パッドが製品に接触し、真空ポンプによってパッド内部が負圧になることで製品を吸着します。吸着された製品は、ロボットアームや昇降・旋回機構によって持ち上げられ、指定された排出場所へと移動した後、真空が解除されて製品が解放されます。製品表面を傷つけにくく、精密部品やデリケートな製品の排出に適しています。

ゲート式排出装置の仕組み

ゲート式排出装置は、搬送路の一部に設置されたゲート(扉)を開閉することで、製品の流路を切り替える方式です。良品はゲートが開いたままメインラインを通過し、不良品と判別された製品が排出位置に到達すると、ゲートが閉じて不良品を別の排出ラインやコンテナへと誘導します。ゲートの開閉は、モーターやエアシリンダーによって制御され、製品の搬送速度に合わせて正確なタイミングで行われます。

その他の排出方式

上記以外にも、生産ラインの特性や排出対象物の種類に応じて様々な排出方式が存在します。例えば、ロボットアームによるピッキング排出、傾斜や振動を利用した排出、電磁力を用いた排出などがあります。重要なのは、排出対象物の物理的特性(形状、重さ、材質など)や、生産ラインのタクトタイム(処理速度)に最適な方式を選定することです。

検出・判別メカニズム

排出装置が正確に動作するためには、排出対象となる製品を正確に「検出し」「判別する」メカニズムが不可欠です。検出には、製品の有無を判断する光電センサーや、製品の位置を特定するエリアセンサーなどが用いられます。判別には、製品の寸法、形状、色、異物混入などを検査する画像処理システムや、重量を測定するロードセル(重量センサー)などが利用されます。これらのセンサーや検査装置から得られた情報は、制御システムに送られ、事前に設定された合否判定基準に基づいて判断されます。

制御システムと連携

排出装置は、生産ライン全体の制御システムと密接に連携して動作します。中心となるのは、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの産業用コントローラです。PLCは、検査装置からの合否信号を受け取り、排出装置に対して適切なタイミングで動作指示を出します。また、生産ラインの稼働状況に合わせて排出タイミングを調整したり、異常発生時にはラインを停止させたりする機能も担います。

排出装置の選び方

排出装置を選定する際は、生産効率、品質維持、コスト、そして将来的な拡張性まで考慮に入れる必要があります。多種多様な排出装置の中から、自社の生産ラインに最適な一台を見つけるためには、複数の視点から総合的に評価することが重要です。

製品特性に基づく選定ポイント

排出装置の選定において、最も基本的な要素となるのが、排出対象となる製品(ワーク)の特性です。ワークの物理的・化学的性質によって、最適な排出方式は大きく異なります。

ワークの形状・材質・サイズ・重量

ワークの形状が平坦か複雑か、材質が金属、樹脂、ガラス、フィルム、布など何であるか、サイズが小型か大型か、重量が軽量か重量物かによって、装置の把持・搬送メカニズムが変わります。例えば、表面が滑らかで傷つきやすいワークには吸着式や非接触のエアブロー式が適しています。粘着性のあるワークや静電気を帯びやすいワークには、その特性を考慮した特殊な排出方法が求められることもあります。

排出速度と精度

生産ラインのタクトタイムに合わせて、要求される排出速度(個/分や個/秒)を達成できるかを確認します。同時に、排出位置の精度も重要です。特定の不良品をピンポイントで排出する必要がある場合、ミリ単位の排出精度が求められることがあります。

設置環境

排出装置が設置される環境も選定の重要な要素です。クリーンルーム内での使用であれば、発塵が少なく、清掃しやすい構造が求められます。また、粉塵が多い環境や水濡れの可能性がある場所では、防塵・防水性能(IP等級)が高い装置を選ぶ必要があります。高温・低温環境、振動、騒音など、稼働環境に合わせた耐性を持つ装置を選定することが不可欠です。

生産ラインの条件から考える選定基準

排出装置は単体で機能するのではなく、生産ライン全体の一部として組み込まれます。そのため、既存の生産ラインの条件に適合するかどうかが、導入の成否を分けます。

設置スペースと既存設備との連携

生産ライン上の設置可能スペース(幅、奥行き、高さ)を正確に把握し、その制約内で導入できる装置を選びます。また、前工程や後工程の設備との物理的な接続性や、信号連携(PLC、I/Oなど)の互換性も確認が必要です。

導入コストとランニングコスト

排出装置の選定においては、初期導入費用(装置本体価格、設置工事費)だけでなく、ランニングコスト(消耗品費、電気代、圧縮エア消費量、定期メンテナンス費用など)も総合的に評価する必要があります。長期的な視点で費用対効果(ROI)を考慮し、最も経済的かつ効率的な装置を選びましょう。

安全性とメンテナンス性

作業者の安全を確保するための安全カバーや非常停止機能の有無、国際的な安全規格への準拠も確認すべき点です。また、日常の清掃のしやすさ、部品交換の容易さ、故障時の復旧時間(MTTR)の短さなど、メンテナンス性も重要な選定基準です。

検査装置との連携における注意点

排出装置は、多くの場合、検査装置と連携して不良品を排出します。この連携がスムーズに行われるかどうかが、品質管理の精度に直結します。

信号の受け渡しとタイミングの同期

検査装置から排出装置へ、不良品であることを示すNG信号(合否判定信号)が正確かつ確実に受け渡されることが不可欠です。信号の種類(デジタルI/O、シリアル通信、Ethernetなど)と、その信号遅延を考慮したシステム設計が求められます。また、ワークの搬送速度と排出タイミングを正確に同期させることが重要です。

排出後のワーク処理

排出された不良品をどのように回収し、処理するかも事前に計画しておくべきです。回収箱への自動投入、専用シュートへの排出、別のコンベアへの振り分けなど、不良品の回収方法を決定します。排出された不良品が、その後の良品に接触して傷つけたり、ライン上に散らばったりしないような工夫も必要です。

システム全体の最適化

検査装置の精度と排出装置の精度が一貫していることが、システム全体の品質管理能力を高めます。誤って良品を排出してしまったり(良品排出)、不良品を排出せずに通過させてしまったり(不良品残留)するリスクを最小限に抑えるための対策を講じます。

よくある質問

排出精度を高めるにはどうすれば良いですか?

排出装置の精度を高めるためには、まず対象となる製品(ワーク)の特性(形状、重量、材質)と、求められる排出速度、排出位置精度を明確にすることが重要です。高精度なセンサー(光電センサー、画像処理システム)や、精密な動作が可能なサーボモーター駆動のメカニズムを採用することで、排出の安定性と再現性を向上させることができます。また、装置の設置環境における振動対策や、定期的なメンテナンスによる部品の摩耗チェック、調整も精度維持には不可欠です。

既存ラインへの後付けは可能ですか?

多くの排出装置は、既存の生産ラインへの後付けが可能です。しかし、装置を設置するための十分なスペースの有無、既存の搬送システム(コンベアの種類や速度)との機械的な適合性、電気配線や制御信号のインターフェース、そして生産を一時停止して行う設置工事期間の確保が必要となります。既存ラインの生産速度やワークの流れを阻害しないよう、事前の詳細な現場調査と、装置メーカーやシステムインテグレーターとの綿密な打ち合わせが不可欠です。

排出装置の寿命はどのくらいですか?

排出装置の寿命は、その種類、使用頻度、稼働環境、そしてメンテナンス状況によって大きく異なります。一般的に、駆動部(モーター、シリンダー、ベアリング)や搬送ベルト、センサーなどの消耗部品は定期的な交換が必要です。適切な定期点検と計画的な部品交換を行うことで、装置全体の寿命を延ばし、数年から10年以上にわたって安定稼働させることも可能です。

まとめ

本記事では、生産ラインの品質と効率を大きく左右する「排出装置」について、その基本的な概念から多様な種類、動作原理、そして最適な選び方まで解説しました。

適切な排出装置の導入は、不良品の確実な排除による品質向上、生産タクトタイムの短縮、人件費の削減、さらには作業環境の安全性向上にも直結します。

東京電子工業では、不良発生時に機械を止めずに不良品を排出できる排出装置を提供しています。詳細は下記リンクよりご覧ください。

東京電子工業の排出装置はこちら
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